確かに、いつかどこかでこんな情景を見たような気がする。ちょっとした日常の切なくて懐かしい日々や記憶をやわらかなタッチで描く上村奈央さん。「見る人が自由にストーリーを思い浮かべてくれたら」。
日本画家である父に影響を受け、物心つく頃から絵を描くことが身近だった。名古屋造形大学視覚伝達デザイン学科を卒業した後、東京で本の挿絵やCDジャケット、雑誌やパンフレットのイラストを手掛けた。
帰郷した現在は、愛犬と散歩をしながら、ごくありふれた自然や町並みを眺め、小さなスケッチブックに落書きをしたためる。やがてそれは穏やかな記憶となって、にじんだ線や色を纏い、薄い半紙の上にやさしい景色を映し出す。
撮影協力/Vanir.(やながせ倉庫 110号室)
Photo
- イラストレーター 上村 奈央
- 2014年8月9日(土)~24日(日)
bicafe gallery(やながせ倉庫 202号室)にて上村奈央イラスト展「コチラアチラ」開催/ - http://naokamimura.com