今にも歩み寄って来そうな虎。思惑あり気な表情を浮かべるゴリラ。これほどまでに精巧な絵が、綿花から採取したままの無着色の綿だけで描かれていることに、驚かずにはいられない。
20年以上前に柳川流押し花を習い始め、現在は自宅兼ギャラリーの「淡墨香房」で教室を主宰する長尾よしみさん。5年程前、押し花作品に部分的に用いる綿に着目。毛羽のある黒い台紙の上に、ちぎったり、細く撚ったりした綿を何度も重ね置き、動物の毛並みを表現する技法を創出した。庭で栽培する白、茶、薄茶、緑の4色の綿のみで表現の限界に挑み、作品の幅を広げている。今後は自ら生み出した「わた絵」の存在を広く知ってもらいたいと、精力的に展示も行う予定だ。
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- わた絵作家 長尾 よしみ
「淡墨香房」
岐阜市粟野西8-184-1 TEL. 058-337-3753
- 2015年6月にギャラリー木楽(岐阜市中川原4-3)にて作品展示