旧高富街道を描いた一枚の版画。照りつける夏の日差し、鎮守の森の草いきれ、蝉の声。郷愁が情景を彩る。「昭和30年代、僕が子どもだった頃が原点。どこか懐かしくて、生活の匂いが漂う景色が好きです」。
誰に教わるでもなく、失敗と熟考と挑戦を繰り返し、自ら学ぶことで、多色刷り版画の手法を身に付けてきた牧野光陽さん。下絵を墨の濃淡や色ごとに分けて10ほどの版を作り、刷り重ねていく。「初刷りはひどいものです」。どう直すかに、作家の感覚が試される。
自らの手と作品の間に版木と紙が介在する版画では、時に思いがけぬ快作が刷り上がる。「僕が作ったというより“生まれてきた”」。滅多に会えぬ版画の神様を慕い続け、40年が経つ。
出展
岐阜県美術館一般展示室にて
2016年8月9日(火)~14日(日)に開催の
「第47回 ぎふ平和美術展」に出展
Photo
- 版画家 牧野 光陽
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※応募締切は2016年9月10日