小さなギャラリーの和室に忽然と立ち現れた“庭”。手掛けたのは庭師の馬場真哉さん。京都の造園会社で4年半修業した後、岐阜に戻って家業を継いだ。だが、これからが勝負と思っていた矢先、事故で右手を失う。失意のうちにも「おかげで多角的にものが見えるようになった」と、庭の新たな価値や概念を模索、作品として表現するようになった。
富士砂から立ち枯れたジューンベリーの木が生命を取り戻したように伸びる。中央に置かれたのは、単に閉じ込められた石ではない。人が感じる時間の流れよりも、鉄のそれはゆっくりで、錆びてゆく鉄よりも、石に流れる時間ははるかに遅い。そんな視点から生まれた作品だ。彼の“庭”は、いとも自由に常識を超えていく。
撮影協力/小さい家
展示
2016年11月4日(金)~20日(日)の金土日に小さい家にて開催される
「ゲストハウス小さい家」で作品を展示
Photo
- 庭師 馬場 真哉