淡黄色の照明が灯ると、白磁のハイヒールに可憐なサギソウの花々がふわりと浮かび上がった。
京都市立芸術大学大学院美術研究科を修了し、岐阜市内のアトリエで陶芸を続ける小塩薫さん。学生時代、透明感のある磁器が持つ質感に強く惹かれ、新たな表現や手法を追究するうちに、器の内側に光を入れるアイデアをひらめいた。それを形にした卒業制作が東京国立近代美術館に展示され、高い評価を得る。以来、約20年、ひたむきに制作に打ち込み、技巧を発展させ、作品へと昇華してきた。
モチーフは身近な暮らしの中にある。靴や鞄、帽子、そして庭に咲く草花。紙一枚ほどの薄さの白磁のキャンバスに、彼女の世界が光と影を伴い映し出される。
展示
アトリエ(岐阜市茜町)にて毎週金曜日13~16時に陶芸教室(小物制作・1回5,000円~)を開催
問い合わせ/kaoru.ojio@gmail.com