学生が行き交う大学構内。食堂へと続く扉の上に一枚の絵が飾られている。傘を手にした人々がスクランブル交差点で交錯する一瞬を切り取った「出会い模様」。
50代半ば、多くの人との出会いや邂逅(かいこう)を経て今の自分があることに思い至り、この「交差点シリーズ」に辿り着いた江﨑榮彦さん。速乾性があり多様な表現ができるアクリル絵具を使い、製図などに用いる透視図法や投影図法に基づいて、路面の白線の角度や幅、人物一人ひとりの大きさや位置まで緻密に計算して描く。
岐阜大学教育学部美術工芸学科在学中に二科展に初入選。以来、約半世紀。描くことに向き合い、絵筆を握り続けてきた。「あと何年か分からない。でも私は生涯、描き続けるでしょう」。
撮影協力/中部学院大学 関キャンパス
〈2018年度の出品予定〉
2018年4月17日(火)~24日(火)に東京都美術館「2018春季 二科展」
2018年9月5日(水)~17日(月・祝)に国立新美術館「第103回二科展」
Photo
- 洋画家 江﨑 榮彦