立体造形作家として数々の個展を開いてきた井戸えりさん。7年前、美術館や画廊に展示するだけではなく、生活の一部として使える作品としてバッグの制作を試みた。生地選びから配色、刺繍、ボタンや紐の細工、組み立てまで、すべて即興で作り上げる。それは「まるで小さな宇宙を作るような」驚きや喜びに満ちていた。以来、自分でも結果が予測できないアドリブだらけのバッグ制作を続けている。毎年行うバッグ展は、初日でほぼ完売するほどの人気ぶり。「町で偶然に自分の作品を見かけると、あのバッグはどんな旅をして、どこに行くんだろう、って想像するのがまた楽しいんです」。
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- 立体造形作家/バッグ作家 井戸えり