浄土真宗本願寺派の寺に生まれた中島法晃さん。家業を継ぐことを宿命と受け止めつつ、反発心もあって県立加納高校美術科に進学。東京芸術大学で彫刻を専攻し、芸術にのめり込んだ。二十歳で得度。今は僧侶として精進しながら、精力的に制作を続けている。
根底にあるのは「死生観」。4年ほど前に祖母が97歳で亡くなった。「最期に南無阿弥陀仏と唱えた姿を見て、仏になるとはこういうことか、と初めて思い至りました」。以来、輪廻や再生について想いをめぐらす。作品のテーマは死を見つめることから「生きること」へとシフトした。
滔々(とうとう)と流れ、形を成し、凛と返り咲く文字や言葉の片鱗。本堂を改修した際の柱や鴨居で作った筆の先にもまた、美しい蓮の花が咲いている。
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- 造形作家 中島法晃
作品に関する情報
- ブログ「NAKASHIMA HOUKOU」http://houkou-n.blog.so-net.ne.jp/
- 「中島法晃 文字展」2012年1月20日(金)~24日(火)
柳ケ瀬のギャラリー「CROQUIS(クロッキー)」にて開催