「郡上魂」をスパイスに
奥美濃カレー
国民食ともいえる「カレー」でまちおこしをと、郡上市内の飲食店、商工会、行政が一体となって平成16年に始動した「奥美濃カレープロジェクト」。現在は26店舗で60種類以上の独創的な「奥美濃カレー」を味わうことができる。
「カフェレスト風見鶏」のシェフ、滝下一德(たきしたかずのり)さんはカレーの奥深さにすっかり執心。オーブンでじっくり焼いた丸ごとの玉ねぎ、きのこ、野菜、飛騨牛が盛られた贅沢なカレーや、牛すじと鶏肉の2種類が味わえるツインカレーなど、メニューを次々と開発。その行動力と味でプロジェクトを牽引する。
奥美濃カレー協同組合理事長も務める「覇楼館(はろうかん)」の店主、籏(はた)哲朗さんを中心とした青年部の想いも熱い。練ったご飯を竹串に付け、豚肉を巻いて焼き、カレーをかける「ひっちゃく棒」を考案、更なるブームの起爆剤とした。地元を盛り上げたいという熱意が人々を繋ぎ、ご当地の味で旋風を生んでいる。
改良を重ね、進化を続ける「ひっちゃく棒」や里山保全組織「猪鹿庁」とコラボしたレトルトカレーなどオリジナル商品も開発。
ひっちゃく棒 1本 350円
奥美濃カレー 1箱 630円
奥美濃カレーせんべい 380円
定義
- 郡上地域のご当地味噌を使う
- おいしい地元の食材を使用する
- 愛情を込めてカレーを作り、郡上の人情を伝える
奥美濃カレー協同組合
- TEL.0575-82-3036
- http://www.okuminocurry.com/
郡上市白鳥町 カフェレスト風見鶏
まるまんまオニオン&きのこカレー 950円
奥美濃ツインカレー(アイス付) 950円
- 郡上市白鳥町中津屋929
- 10時~14時半、17時~20時(土・日・祝は10時~20時) 月曜定休
- TEL.0575-82-4733
- P13台
郡上市白鳥町 覇楼館
雪の妖精カレー 870円
郡上の雪景色をイメージして考案されたホワイトカレー。クリーミーな甘さの後にピリリとスパイスが効く。隠し味の地味噌、ひるがの牛乳、契約農家の米、地元野菜を使った郷土愛あふれる一皿。
- 郡上市白鳥町白鳥21-14
- 9時~21時 月曜定休
- TEL.0575-82-3988
- P20台
郡上市大和町 食の家 じぇいあん
ガーリックライスカレー 900円
ガーリックライスのもちもちとした食感と、3日以上煮込んだ濃厚な飛騨牛入り奥美濃カレーが好相性。熱々の陶板皿の中でグツグツと沸騰するカレーが強烈なインパクトを生む看板メニューだ。
- 郡上市大和町剣254-11
- 9時~20時 木曜定休
- TEL.0575-88-2095
- P25台
郡上市明宝 喫茶 明宝
きのこカレー 700円
女性スタッフが個性的な郡上地味噌と酸味のある明宝トマトケチャップ、カレールウのバランスに苦慮しつつ、試行錯誤の末に完成。素揚げしたきのこや角切りの明宝ハムなどを贅沢にトッピング。
- 郡上市明宝大谷1015 道の駅明宝内
- 8時~18時 無休
- TEL.0575-87-2395
- Pあり
ゼロから始まった開発型グルメ
各務原キムチ
平成16年に開催された韓国春川市との姉妹都市提携1周年記念イベント「『冬のソナタ』春川物語」。来場者は驚きの70万人。会場で販売した「手作りキムチ」が大好評。毎年開かれていたキムチ漬け講習会の人気も高く、どんな料理とも相性が良いことが決め手となり、1カ月後には行政、飲食店、生産者など立場を越えたメンバーで「キムチ日本一の都市研究会」を結成。“開発型ご当地グルメ”への挑戦が始まった。定義は、「各務原市の特産品『にんじん』と春川市の特産品『松の実』を使う」こと。討論の末、素材が入手しやすいよう産地を縛らないことで一致し、「各務原キムチ」が誕生した。
創立メンバーの一人である「焼肉大翔」店主の吉田佳弘さんは、自ら韓国へ赴いて研究したキムチのプロ。本場任実産唐辛子を使って毎日漬け込むキムチと、現地で学んだプデチゲをベースに「各務原キムチ鍋」を創作。B–1グランプリブロンズ賞受賞やイベント出展を機に人気を博し、知名度は全国区になった。各務原キムチ認定店も52店舗にまで増加。そして、今や市民の誰もが知るほどの、各務原を代表する特産品の一つに成長したのだ。
とはいえ、ゼロからの認知。そこからの定着化は難しい。時代の波に合った提案、講習会やイベントなどを通した「民」と「官」の連携の強さ。この地域力の頼もしさが成せる技だろう。
定義
- にんじんと松の実を入れたキムチであること
キムチ日本一の都市研究会
- TEL.058-383-9925
- http://www.kakamigahara-kimuchi.com/
各務原市川島
Sweet terrace PATISSIER
各務原キムチーズ 900円
河川環境楽園内のカフェで味わえる創作オムライス。押し麦入りのバターライスを半熟卵で包み、特製キムチソースをかけた一皿。周辺にはバーガーやたこ焼きなどのキムチメニューを出す店も。
- 各務原市川島笠田町1564-1
- 10時~21時(土・日・祝は23時まで) 無休(河川環境楽園の休日に準ずる)
- TEL.0586-89-6766(オアシスパーク)
- P約1,000台(共同)
各務原市鵜沼 スパゲッティハウス じゃんご 鵜沼店
豚キムチスパゲッティ 930円
あっさりとした和風キムチと豚肉と玉ねぎを炒め、オリジナルの味噌スープを絡めたスパゲッティ。まろやかな辛さで女性にもおすすめ。辛さの調節も可能。明太子とキムチのスパゲッティもぜひ。
- 各務原市鵜沼羽場町3-163
- 11時~22時 火曜・第3月曜定休(祝日の場合は営業)
- TEL.058-384-3433
- P35台(共同)
各務原市蘇原
パン工房 ひこいち堂
各務原キムチサンド 230円
本場のキムチを子どもでも食べられるようにと創作パンを考案。キムチと豚肉を軽く煮込み、マヨネーズとともに甘くて柔らかなパンでサンド。「パンとキムチは相性がよい」ことを提案している。
- 各務原市蘇原瑞穂町2-69-1
- 10時~19時 水曜・第4火曜定休
- TEL.058-389-7812
- P6台
Photo
- 各企業とのタイアップ商品も豊富_1
- 各企業とのタイアップ商品も豊富_2
「もう一度食べたい」が原動力 美濃加茂やきそば
美濃加茂市で学生時代の思い出の店を尋ねると必ず「福寿堂」の名が挙がる。かつて美濃太田駅前にあったその食堂は、地元の人で賑わう繁盛店だった。昨春のイベントでのこと。「また福寿堂の焼きそばが食べたいね」と一人がつぶやく。すると昔話に花が咲き、“ソースを後がけする”という斬新な食べ方とその懐かしい味を誰もが思い出した。そんな一言をきっかけに、あの頃の味で駅前の賑わいを取り戻そうと再現が始まった。
しかし、早々に壁にぶち当たる。一番のこだわりである麺を特注していた製麺所が食堂の閉店より前に廃業していたことを知った。諦めかけたその時、「私の代であの味は終わり。新しい味で町を盛り上げて」と福寿堂の元女将が後押し。試食会や会議を繰り返し、新しい名物として「美濃加茂やきそば」が誕生した。魚粉の香りとしっかりとした旨みを感じる麺に、甘みのあるキャベツが好相性。さらりとしたソースを後がけするスタイルは健在だ。
発足から1年、賛同する店舗も増えてきた。イベント出店も控え、準備にも大忙し。「福寿堂の味がまた食べたい」。何気ないその一言が、町を一つにしていく。
定義
- おいしくなーれと言いながら作る
- 麺は中太麺
- 水を加えて炒めたキャベツを加える
- 塩、こしょう、魚粉で味付け
- 指定のソースを後がけする
美濃加茂やきそば復刻会
- TEL.0574-25-2111(内線262)
- http://minokamoyakisoba.com/
美濃加茂 喫茶 扇
美濃加茂やきそば 400円
- 美濃加茂市太田町2689-48
- 9時~19時 不定休
- TEL.0574-25-2336
- 共同Pあり
Photo
- 喫茶 扇 美濃加茂やきそば 400円
- ワザビソース
- 美濃加茂やきそば復刻会
焼き物の町から新名物 たじみそ焼きそば
焼き物の産地や日本一暑い町として有名な多治見市の新たな名物「たじみそ焼きそば」。平成22年の市制70周年記念イベントで、“焼き物”料理をテーマにした「たじみ焼もんグルメコンテスト」を開催。応募された60種類のレシピの中で、多治見西高校の堀英彦先生が考案したみそ味の焼きそばが見事グランプリに輝いた。
「絶対に勝つと思った」と話すのは、このアイデアに惚れ込んだ中華料理店店主の野島鑛詞さん。これならばみんなに愛される地元グルメになると確信した彼は、自ら試作を繰り返し、ごま油や豆板醤を加えたピリ辛みそ味に改良。地域の飲食店を1軒ずつ回って仲間を募った。「どこにも断られなかった。みんな一緒に頑張ろうって言ってくれたんだ」。すぐに「たじみそ焼きそば研究所」を開設。副所長として、昨年はイベントでのPRにも尽力した。
創業30余年の中華料理店「中苑」では回鍋肉用のみそを使用。甘辛みそが絡んだ太麺にラー油を垂らすとまた格別だ。ダシみそやどて煮用のみそを使う店もあり、各々の個性が光る。「どこの店も美味しいの」と嬉しそうに話す野島さん。庶民派グルメのニューフェイスが、街をさらに熱くする。
定義
- ピリ辛みそを使用した焼きそば
- 半熟卵を載せる
たじみそ焼きそば研究所
- TEL.0572-22-4717
- http://www.tajimiso.com/
多治見 中苑
たじみそ焼きそば 400円
- 多治見市音羽町5-43-1
- 11時~14時、17時~21時 不定休
- TEL.0572-22-2315
- P4台
Photo
- みそ
- たじみそ焼きそば研究所