夜の帳が下りる頃
街角にぽつり、ぽつりと
優しい灯がともる。
ご機嫌な料理をこしらえ
うまい酒を並べて。
笑顔で迎えてくれるバル、
音楽が満ちるカフェ、
いつものあの居酒屋に
ふと立ち寄る大人のバー。
大好きなあの人と
気の置けない仲間と
時には、ひとりで。
さあ、繰り出そう、
ほろ酔いの岐阜の夜へ。
特集目次
夏の夜は、多国籍のウマい料理と酒で乾杯!

街角の小さなバルに
店主のワクワクが満ちている
水色の扉が大きく開き、道に笑い声がもれてくる。スパイスやハーブが絶妙に効いた、南欧料理や南インド料理などが味わえる『三日月バル』だ。
「メニューは本能的に食べたいものかな」と店主の福地未佳さん。煮込みやカレーなど、伝統に忠実なものが中心だが、たとえばトルコ料理の豆のペーストをサラダ仕立てにするなど、「ちょっと素敵」と思うひと工夫も加える。
仕事帰りの会社員やひとりで来店する年配客、カフェ使いをする主婦、カレーマニア。様々な客層がふらりと訪れるのは、福地さんのワクワクに引き寄せられるのだろう。
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- 南インドの郷土料理ミールスは名物メニュー 3種のカレーとライス 1,100円
- 手作りソーセージや豚肉をキャベツと一緒に煮込む。シュークルート1,000円
- 新玉ねぎとベーコンのキッシュ 1カット 500 円
- 砂糖に漬け込んだ果物入りのアルコールも人気 三日月ハイボール 600円、グラススパークリング 500円
三日月バル
- 岐阜市住田町2-20 有楽繊維ビル1F 東側
- 営業時間 16:00~23:00
- 定休日 木曜日
- TEL.058-264-2313

ひとりでも仲間とも
訪れたい憩いのアジト
JR岐阜駅へ続く繊維街の細い通り。小さな扉を開くと、思いがけず奥行きのある、ゆったりとした空間が現れる。
小学生の頃から“ヤンさん”のあだ名で慕われる鷲見浩正さんが、今年1月にオープンした『Yan Kebab』。串に刺した肉を回転させながらロースターで焼くドネルケバブのサンド、煮込み料理のイスケンデルケバブなどが手頃に味わえ、外国人客の姿も多い。
ニューヨークの老舗パブの流儀にならい、ビールは小さめのジョッキが2杯一度に運ばれる。営業は深夜4時まで。料理と酒と会話を愉しむうち、ディープな夜が更けていく。
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- Yan Kebab ヤン ケバブ 店内写真
- 飛騨牛スジのイスケンデルケバブ 900円
- 野菜だけで作ったペーストを、きゅうりなどに付けて食べるトルコ料理の前菜。アジュルエズメ 400円
- ケバブサンド 500円
- 生ビールと黒ビールの組み合わせも可能 2 glass beer 500円
Yan Kebabヤン ケバブ
- 岐阜市住田町2-22-1
- 営業時間 17:30~翌4:00
- 定休日 日曜日
- TEL.058-265-1129

スウィングドアの向こう、
しびれるカントリーの世界へ
ウエスタンファッションに身を包んだマスターの森川学さん。柔らかな物腰とにこやかな表情が、店の雰囲気をより居心地良いものにしている。森川さんが23年前に開いたこの店の名は『エルパソ』。アメリカ・テキサス州の最西端、メキシコとの国境に位置し、西部劇の舞台としても名高い地名だ。
「僕の世代はアメリカ文化の影響が大きいんですよね。若い頃はロックンロールに憧れて。ロカビリーやヒルビリーを経て、やはりカントリーがいいなと落ち着いたんです」。
愛好するカントリー&ウエスタンのイメージを具象化した店内では、タコスやナチョスなど「Tex-Mex」と呼ばれる、メキシコの食文化に影響を受けたテキサス料理が楽しめる。
そして、この店でぜひ味わいたいのが、メキシコが誇る銘酒、テキーラだ。ショットグラスで一気に煽る強い酒、という印象が強いが、近年は広口のグラスで香りや味わいをゆっくり愉しむ飲み方が主流だとか。
さて、今夜は颯爽とスウィングドアをくぐり、ウエスタン気分に浸ってみようじゃないか。
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- ナチョス(ビーンズ) Mサイズ 750円
- ケサディア(ビーフ) 900円
- タコス(ハードシェル・チキン)800円
- メキシコビールがTex-Mex 料理に合わないはずがない コロナ 600円
- エルパソ 店内写真
- エルパソ 店内写真
- マスターの森川学さ ん
エルパソ
- 岐阜市吉野町3 オレンジビル1F
- 営業時間 18:00~翌1:00(OS24:00)
- 定休日 日曜日
- TEL.058-265-3190
エルパソ 森川さんの テキーラ基礎知識

テキーラってどんなお酒?
テキーラはメキシコの蒸留酒の一種です。原材料に「テキーラ5州」と称される地域で栽培された龍舌蘭(りゅうぜつらん)科の植物「アガベ・アスール」だけを使用したものが「100%アガベ・テキーラ」として認められ、それ以外の割合で造られたものは「ミクスド・テキーラ」と分類されます。
原材料を発酵させて蒸留した後、樽熟成をしないほぼ透明なテキーラを「ブランコ(シルバー)」、樽で2カ月以上熟成したものを「レポサド」、1年以上熟成したものは「アネホ」と呼びます。
原産地:メキシコ・テキーラ5州のみ
原 料:アガベ・アスール(51%以上)、サトウキビなど
森川さん推薦のテキーラはこれ!
トレスマゲイヤス(レポサド) グラス 600円
ドン・フリオ蒸留所で造られたミクスド・テキーラ。バーボン樽で4カ月以上熟成させたレポサドは、原料のアガベの風味を残しながら、甘みのバランスが良く、余韻もすっきりしています。大切な日に、ゆっくりと味わってほしいテキーラです。