岐阜の地酒、ゆるゆると。

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特集 今宵も銘酒に酔いしれる 岐阜の地酒、ゆるゆると。

岐阜には意外と多くの酒蔵がある。
全国にその名を馳せるような銘酒もある。
たっぷりと手間をかけて醸した
蔵元自慢の地酒は、個性もいろいろ。
ゆるりゆるりと盃を傾けながら、
今宵、岐阜の銘酒に酔いしれる。


「ひだほまれ」に飛騨山系の名水
絶妙な調和が生んだ究極の飛騨の酒 -天領酒造

真新しい杉玉を吊るした入口を通って店へ。案内されたのは、囲炉裏を切った昔ながらの飛騨造りの座敷。頭上に天窓の名残が残り、窓から飛び石を配した苔庭が見える。創業は江戸時代の中期。近江の人が飛騨の地に魅せられて、この地に住みついて酒造りを始めた。

天領酒造の誇りは、どの酒にも飛騨の酒造米「ひだほまれ」を使っていること。上品な香りと酸を控えたまろやかな味が、和食に見事に調和する。

社長の上野田隆平さん(54)がひだほまれに出会ったのは、20数年も前。静岡の地酒メーカーでその素晴らしさを聞かされた。さっそく使ってみたが、うまくいかない。精米が難しく蒸しにくかった。その後、自社精米の技術の向上と新潟の杜氏の技で遂に成功。「山田錦で造った酒が小股の切れ上がった粋な女性とすれば、ひだほまれの酒はふっくり、ぽっちゃり型の気立て自慢の娘」と上野田さんは一目惚れ。地元はもちろん、日航国際線のエグゼクティブクラスでも飲まれるほどの孝行娘となった。水は飛騨山系にろ過された超軟水の山水。使いこなすのが難しかったが、ひだほまれとの相性はぴったりだ。

上野田さんは、東京農大で醸造化学を学んだ。「目先の変化を追うより、今の酒造りを一層洗練させていきたい」と考えるが、時代の先を読むのも怠らない。卒業後家業に就いて、さっそく造ったのが麦焼酎。樽に入れて保存しておいた製品が最近の焼酎ブームに乗って、飛騨の焼酎を有名にした。醸造技術を食品にも応用し、別会社で野菜ドリンクや山菜珍味などもつくる。

蔵元のおすすめの冬の酒は、純米酒「飛切り」。飛騨の冬の味覚、寒ぶりやねずしで飲むと、これ以上の贅沢は望めない。

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天領酒造 株式会社

【代表銘柄】

左:飛騨の特別純米酒 飛切り、右:純米吟醸 天領 ひだほまれ飛騨の特別純米酒 飛切り
720ml 1,260円/1,800ml 2,468円

酒米:ひだほまれ(精米歩合60%) 日本酒度:+4
豊かな香りとコクが広がる辛口純米酒。刺身はキリッと冷やして、鍋物にはぬる燗で。

純米吟醸 天領 ひだほまれ
720ml 1,575円/1,800ml 3,150円

酒米:ひだほまれ(精米歩合45%) 日本酒度:+3
飛騨特産「ひだほまれ」を丁寧に仕込んだ純米吟醸。豊潤なコクと爽やかな後味が特長。


世界が称賛した飛騨の酒造り
「地産地消」から「地産世消」へ -渡辺酒造店

古川を代表する古い街並。瀬戸川の水面に映る酒蔵の白壁黒腰壁の土蔵が美しい。銘酒「蓬莱(ほうらい)」の蔵元・渡辺酒造店は、岐阜県を代表する地酒メーカーのひとつ。明治の初めの創業で約140年の歴史を持つ。老舗を率いる渡邉久憲専務(39)は渡邉家の9代目。入社に先立ち全国の銘蔵元を蔵人として渡り歩き、理想の日本酒の醸造法を追求し、経営哲学を学んだ。

渡辺酒造店がめざすのは、伝統製法にこだわりながらも、時代を読んだ商品の開発。四季の食材に合わせて仕込んだ季節の限定酒、「蔵元の隠し酒」「非売品の酒」などのネーミングで売る蔵出しの銘酒、大吟醸に漬け込んだパウンドケーキを開発するなど、アイデアは尽きることがない。

日本酒の需要は国内で右肩下がりが続く一方で、海外では和食ブームに乗り輸出が増え始めた。「蓬莱超吟しずく」はベルギーで行われる世界的な酒と食の品評会「モンドセレクション」で6年連続金賞に輝いた。袋吊りという伝統手法が生み出した最高級ワインにも負けないフルーティーな味わいが絶賛された。2年前、アメリカ人男性を蔵人として採用、蔵の中も国際化が進んでいる。

渡辺酒造店の日本酒は、8割が地元の飛騨で飲まれる。「あくまで飛騨の食文化に根差しながら、世界も視野に入れたい。『地産地消』から『地産世消』へ」と渡邉専務のパワーは全開だ。

Photo

有限会社 渡辺酒造店

【代表銘柄】

左:大吟醸雫酒 蓬莱 超吟しずく、右:大吟醸 蓬莱 極意傳大吟醸雫酒 蓬莱 超吟しずく
720ml 5,250円

酒米:山田錦(精米歩合35%) 日本酒度:+5
酒袋から滴る大吟醸酒の雫を集めた極上品。iTQi世界品質審査会で主席最優秀賞獲得。

大吟醸 蓬莱 極意傳
720ml 3,150円/1,800ml 5,250円

酒米:山田錦(精米歩合40%) 日本酒度:+5
深く厚みのある味わいとキレの良さ。杜氏・板垣博司の酒造りの極意を伝える大吟醸酒。


歳月に磨かれた魅惑の琥珀色
幻の手法で甦った中世の酔い心地 -白木恒助商店

岐阜市東北部の田園地帯。歳月に洗われた豪農の家かと見まがうような白壁の建物が一軒。江戸時代末期に創業した「達磨正宗(だるままさむね)」の蔵元・白木恒助(しらきつねすけ)商店だ。

熟成古酒の製造を始めたのは昭和46年。大手酒造メーカーが大衆酒を大量につくり始め、地方の地酒メーカーは苦境に立った。そこで6代目蔵元・白木善次さん(69)が生き残りをかけて取り組んだのが古酒造りだった。

業界の研究グループによると、古酒とは「3年以上貯蔵した日本酒」。鎌倉時代から愛飲されたが、明治になって税制事情などで廃れた。

善次さんは製法が異なる様々な日本酒を熟成させてはテストした。10数年の試行錯誤の末、古酒の復活に成功。数年前から、奥深く、濃厚で、忘れられない余韻で魅了する琥珀色の新しい酒として評判になった。現在は売上の7割を占める主力商品だ。「時間と手間ひまをかけたものづくりは、大手メーカーでは真似ができない」と善次さんは満足。

商品構成は3年~20年もの。結婚や出産祝いに贈り、年を経て飲む楽しみを待つアイデア商品「未来へ」も好評。アメリカやイタリアへも輸出している。

門も扉もなく、農家の庭先に入るように道路と敷地が連なっている開放的な造り酒屋。広場で子どもが遊び、洗濯物が干してあってもおかしくはないような生活感がある。親子2代で造る家族経営の蔵。7代目蔵元のパートナー、白木滋里さんはアイスクリームにかける古酒をヒットさせ、現在は激辛リキュールを試作中。「酒造りを楽しみながら、田舎で静かに暮らしたい」と屈託ない。

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合資会社 白木恒助商店

【代表銘柄】

達磨正宗 飲み比べセット 3・5・10年 180ml×3本セット 2,730円達磨正宗 飲み比べセット 3・5・10年
180ml×3本セット 2,730円

蔵で長い歳月をかけ、じっくりと熟成させた古酒。独特の色とまろやかな味わいが特長。


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