生き方が素敵な先輩女性。
二人のライフストーリー。
赤ちゃんを産むって、自然なこと。
家族がもっと仲良くなる楽しいお産を。
木澤助産院 院長 木澤光子さん

「先生、いつもありがとう! また、来月ね」。定期健診に訪れた20代の女性がうれしそうに帰っていく。「今日もお喋りしすぎちゃったわね」と愉快気に見送る助産師の木澤光子さん。こちらも思わず楽しくなるような木澤さんの豪快な笑顔は、出産を控えた妊婦たちの不安をスッと取り除いてくれる、一番の特効薬だ。
朝も昼も夜もなく、呼ばれればすぐ家を飛び出す。そんな助産師の母の姿を見て育った。看護学校卒業後、母のようになるのは大変、と保健師になった。ところが、母親たちにしてあげられるのは話すことだけ。やはり、実際に自分の手が役に立つ助産師になろう、と決意した。そして、昭和36年に嫁ぎ先の木澤助産院で初めての赤ちゃんを取り上げた。
「楽しいお産にしなくちゃ」が口癖。自宅か助産院で出産し、家族みんなが立ち会う。「お父さんも子どもたちも、苦しんでお産をするお母さんを見たら、生まれてきた赤ちゃんを大切にする。『みんなのお産』で家族が仲良くなる。いいでしょう」。
これまで、その頼もしい大きな手で4000人以上の赤ちゃんを取り上げてきた。昨春の旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)受章の祝賀会には、木澤さんを慕うたくさんの親子が駆けつけた。手渡された寄せ書きは、ありがとうの言葉や家族の写真、子どもたちが描いた絵など、感謝の気持ちで埋め尽くされていた。その中に、まだ小学生の女の子が書いた言葉があった。
「私もおかあさんみたいに、先生のところで赤ちゃんを産むから、ずっと元気でいてください」。
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- 寄せ書きは、ありがとうの言葉や家族の写真、子どもたちが描いた絵など、感謝の気持ちで埋め尽くされていた。
- 頼もしい大きな手で4000人以上の赤ちゃんを取り上げてきた。
- 「楽しいお産にしなくちゃ」が口癖。
- 木澤助産院外観
木澤助産院
- 岐阜市島原町42
- TEL.058-271-0593
子育て情報誌を発行し続けて24年。
アクティブに夢を実現する編集長。
にらめっこ 編集長 三上みきさん

各務原市を中心に、隔月2万2千部を発行する子育て生活情報誌『にらめっこ』。編集長の三上みきさんは24年前、岐阜市から各務原市へと引っ越した。育児の真っ最中にも関わらず、新しい場所では他の母親たちと出会う機会がなく、子育ての情報交換ができないことに戸惑った。
自分ができることをと考え、編集の仕事に携わっていたキャリアを生かして、友人らとフリーペーパーを創刊。「どんなに忙しくても一日一回はちゃんと子どもと向き合って、目を見て話そう!」。そんな想いを込め、タイトルは『にらめっこ』に決めた。
誌面は育児についてはもちろん、食や文化などテーマを決めて掘り下げる記事やインタビュー、アンケート結果、サークル紹介など盛りだくさん。「今まで一度も休刊しなかったことは、ちょっと自慢かな」。
7年目にアフリカンドラムを体感するコンサートを企画。アメリカから来日したドラマーのアリーン・ロビンソンさんが3カ月ほど自宅に滞在した。毎晩語り合ったり、ぶつかったり、仲直りをしたり。一緒に過ごした時間がかけがえのない経験として心に残る。それは、自分の人生観や世界観を変えてくれた出会いだった。20年目、亡くなったアリーンさんとの約束を果たし、娘家族を招いてのコンサートを開いた。
現在は40~60代を対象とした情報誌『Activa』の編集や、『こども芸術村』の運営にも力を入れる。
多忙な日々もなんのその、苦労話は一切なし。「『にらめっこ』のおかげでたくさんの良い出会いに恵まれました。それが私のたからもの」と、チャーミングな笑顔を見せる。
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- 各務原市を中心に、隔月2万2千部を発行する子育て生活情報誌『にらめっこ』
- アリーン(前列左)と仲間たち
- 娘・タシーナのコンサートの様子
にらめっこ編集室
- 各務原市蘇原新栄町2-25
- TEL.058-383-8666
- http://www.niramekko.com/