岐阜パン物語。

本記事は掲載当時のものです。現在と内容が異なる場合があります。ご了承ください。
詳しくはaun webマガジンの読み方をご覧ください。

岐阜パン物語。

さくさくクロワッサン、ふんわりメロンパン、香ばしいバゲット・・・。
きつね色に焼けたパンが次々とオーブンから出てきた。
同じパンでも、作る人によって少しずつ個性が違う。
パン職人の誇りと愛情がつまったパンが、あなたに幸せを届けます。


世界のブーランジェに挑戦する
ヴィエノワズリーの名店

パン好きなら、知らない人はいない高山の手づくりパンの名店。三角屋根が乗ったレンガ造りの店へ入ると、約100種類のパンがずらり。トレイを片手に、至福のパン選びに時を忘れる客で満員だ。人気はヴィエノワズリーと呼ばれる菓子パンの一種。生地とバターの層を重ねて高温で焼く繊細な折込み技術と、特製クリームや季節のフルーツたちが奏でる究極の逸品だ。

シェフの成瀬正さん(48)は、’05年パリで開かれたベーカリーワールドカップにヴィエノワズリー部門の日本代表として出場。そのブーランジェ(パン職人)の技が世界から認められた。

ヴィエノワズリーがトラン・ブルーの花なら、食パンやバゲットは太い幹。「一番大切にしているのは、毎日食べてもらえる普通のパンをもっとおいしくつくること」と成瀬さん。学生時代に剣道で鍛えたストイックな表情が真剣だ。酵母の自然な力を借り、塩だけで勝負するごまかしのきかない普通のパンにこそパンづくりの神髄があるという。

成瀬さんは大学を卒業後、アートコーヒーやホテルオークラなどで修業して、「なるせパン」で親しまれる父親の経営する学校給食・業務用パンメーカーに入った。やがてフランスでは田舎にも3つ星クラスの名店があるのを知り、高山で手づくりパンの店を持つことを決意。29歳で父の手を離れてトラン・ブルーを開店した。

子どもの頃、給食のパンを残す級友がいると、父のつくるパンがまずいと言われているようで悲しかった。「あの頃の悔しさをいつかは晴らしたい、という気持ちもあったかな(笑)」

厨房には、パンづくりの修業を志してやってくる若者の姿が絶えない。今年が創業20年目。成瀬さんのブーランジェ魂が日本中に根を下ろし始めた。

Photo

Boulangerie TRAIN BLEU[トラン・ブルー]

  • 高山市西之一色町1-73-5 (JR高山駅より車で約7分)
  • 9時~19時(売り切れ次第終了)
  • 水曜日定休(臨時休業あり)
  • TEL.0577-33-3989 Pあり
  • http://www.trainbleu.com/

本物のパン食文化を求めて
究極のパンづくりにチャレンジ

26年前、グルマンの発想は余りにも新し過ぎた。10年かかってやっと時代が追いつき、今では東海地方を代表する焼きたてパンの名店になった。本店は不破郡垂井町。岐阜市、大垣市、名古屋市、一宮市などに5つの支店を持つ。200種類以上の品ぞろえがある本店の駐車場は、いつも車であふれている。

グルマンは学校給食など業務用パンメーカー、(株)マルセパンの経営。2代目社長の鈴木政裕さん(52)は大学卒業後、横浜などで修業して26歳で父の会社へ。当時のパンは、まだ簡便食の扱いで、食料品店などへ配達に行っても余り重視してもらえなかった。「これではだめだ。ワクワクするようなおいしいパンを、食べる人に直接届けたい」。鈴木さんの熱い思いが実現し、昭和57年、焼きたてパンの直売店グルマンを国道21号沿いにオープンした。

朝食には食パンやクロワッサン、昼には色とりどりの料理パンやスイート系、夕食にはワインにぴったりのフランスパンやライ麦パン。エンドユーザーの嗜好を見据えながらヨーロッパスタイルのパン食文化を提案。新しいライフスタイルを求める新世代の支持を得た。

ヴィタルは鈴木さんのパンづくり哲学をさらに純化し深化させた新しいブランド。天然酵母、国内産小麦、養老の名水を使い、薪の火だけで温めた石窯の余熱で焼く。ヨーロッパのパンづくりの原点から現代を見て発想した、スローフードの時代にふさわしい究極のパンの誕生だ。

鈴木さんは今でも、一人深夜の厨房で試作に取り組む。パンづくりの基本は、粉と塩と水と酵母の組み合わせ。たった4つの素材でこんなに人の心がつかめるものが他にあるだろうか。「30年経って、やっとその喜びが分るようになりました」

Photo

BAKERY&PASTRY GURUMAN VITAL[グルマンヴィタル]垂井本店

  • 不破郡垂井町宮代441 (国道21号沿い)
  • 8時~19時 火曜日定休
  • TEL.0584-23-2400 Pあり
  • http://www.guruman.co.jp/

こんがり焼けたホテルパン
「公園のパン屋さん」千客万来

近くの高校に通う女子高生が入ってきてサンドイッチを物色中。目の前にある公園で遊んでいた子どもたちが100円玉を握ってラスクの棚に手を伸ばしている。午後4時、今日焼いた数十種のパンは、あらかた売れてしまって、残念そう。

一度では覚えられない店の名よりも「公園のパン屋さん」で親しまれる。オープン1年余ですっかり地域に溶け込んだ。

オーナーシェフの岡本豊さん(36)は、毎日午前2時に起きて厨房に立つ。5時に1人だけのスタッフが出勤してくるまでに下ごしらえを完了。一日中、休む暇もなく働いて午後9時に床につく。「パンづくりがぼくの人生だから、全然辛くない。楽しくつくらないと、いいパンは焼けません」

大阪の調理専門学校で学び、東京のホテルパシフィックへ就職。コック希望だったが、ここでパンの神様といわれる福田元吉氏の神業に衝撃を受けて、ブーランジェに転身を決意した。その後、名古屋のマリオットアソシアホテルなどで修業、焦げる寸前まで焼くホテルパンの技術に磨きをかける。’07年11月、父が経営していた工事会社の建物を改装して自分の店を持った。

自慢はまずサンドイッチ。ベーコンやスモークサーモンといった自家製の燻製などをはさんだ料理パンの逸品。11種類と品数豊富なラスクも人気。もちろん定番のクロワッサンや、地元の食材にこだわったデニッシュも自信作だ。

ダメなら工事屋を継げといっていた父も一安心。「おいしいパンをつくれている自分が好き」と、岡本さんはスポーツマンタイプの顔を輝かせた。

Photo

BOULANGERIE ROUGE ROYAL [ルージュロワイヤル]

  • 岐阜市野一色4-10-6 (富田学園より車で約2分)
  • 7時半~17時
  • 火・水曜日定休
  • TEL.058-246-2535
  • Pあり
  • http://rouge-royal.com/

  • コメント:(0)件 | トラックバック:(0)

関連記事


あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事の評価

1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (1 投票, 平均値/最大値: 3.00 / 5)

Loading ... Loading ...

コメント

コメントやトラックバックはまだありません。

トラックバックURL
http://aun-web.com/feature/6587.html/trackback

新しいコメントを記入

  • a un partners[アウン パートナーズ]
  • 読者プレゼント
  • 岐阜さんぽ
  • aun掲載店舗検索
  • ActiveG
  • Gifu City Tower 43
  • 西濃印刷
  • 情報募集
  • 広告募集
  • 設置店募集
  • aunお取り寄せ
  • 制作:西濃印刷株式会社
ページ先頭へ