ゆっくり、じっくり。お茶の時間

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ゆっくり、じっくり。お茶の時間


静かな山里に、目にも鮮やかな緑の畝が続く。
立春から88日目にあたる八十八夜。そう5月は新茶の季節だ。
今は、便利なペットボトル茶が人気だが、
やはり急須で淹れたお茶の味にはかなわない。
宇治や静岡のお茶もいいけれど、
せっかくならふるさと岐阜のお茶を囲んで。
さあ、ゆっくりじっくりと、お茶の時間にしませんか。


岐阜の二大銘茶
「いび茶」&「白川茶」

国道41号から黒川沿いを東へ。すれ違うのもやっとの細道を車で30分。視界が開けたその先には、山の斜面を埋め尽くす若葉色の茶畑が現れた。

加茂郡の東端、白川町黒川にある「ますぶち園」は、お茶の栽培から加工、販売までを手がける一貫生産グループ。昭和41年に7軒の茶農家で共同栽培を開始し、徐々に販路を広げ、今は2代目らがその跡を継いでいる。

「我々の茶畑は昔ながらの段々畑。幅が狭くて急なので、作業が大変です」

そう話す取締役総務部長の田口常昭さん(52)も後継者のひとり。ネクタイを締めて営業に回ることもあれば、畑や工場にも立つ。

岐阜県の茶栽培の歴史は古く、約1200年前より白川に言い伝えが残されている。江戸時代に産業として発展し、昭和30年代から生産量や品質がアップした。農林水産省によるデータでは、平成19年の栽培面積は1030ヘクタールで全国9位、荒茶生産量は789トンで全国14位。西美濃の「美濃いび茶」と美濃中央山間地を拠点とする「美濃白川茶」の二大銘柄を、「美濃茶」として全国に売り出している。

「いび茶は茶葉がやわらかくて深いコクを感じる。白川茶は香りが良くて上品な苦みがある味。どちらも胸をはれるレベルのお茶です」

日本茶インストラクター協会岐阜県支部の支部長を務める藤森茂美さん(48)は美濃茶をこう評価する。


作り手の顔が見える
安心なお茶づくり

県内一の栽培面積を誇る白川町を主産地とするのが「美濃白川茶」。昼夜の大きい気温差と、飛騨川から立ち上る朝霧によって、上質な茶葉が生まれている。

新茶の季節を迎えると、ますぶち園の畑や工場は24時間フル稼働。新芽の一番おいしい時機を逃さまいと、家族総出で一斉に茶摘みをする。新鮮なうちに蒸し、揉み、乾燥させて「荒茶(あらちゃ)」と呼ばれる状態で保存。最後に茶師が火入れを行ってから出荷される。
「畑からお客さんの口に入るまでの履歴がすべてわかる、そんな安心・安全なお茶をお届けしています」と田口さん。ますぶち園が何より大切にしているのは、生産者の顔が見えるお茶づくりだ。減農薬・有機肥料での栽培とトレーサビリティを実践。だが、安全を追求しながら味を保つのはむずかしい。丈夫な木を育てるため土作りにも余念がない。

「簡単で便利なものが求められる時代。何でも手抜きをするのではなく、急須で淹れたお茶を囲んで語り合う、そんなゆとりをもってほしいね」

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ますぶち園DATA

代表商品
上級煎茶 二ッ森 1,050円/100g
中級煎茶 長寿 1,260円/200g
かりがね茎茶6号 1,050円/200g ほか
販売
岐阜髙島屋、バロー全店、平和堂、
インターネット・電話・FAXにて
注文・問い合わせ 株式会社ますぶち園
加茂郡白川町黒川1400
フリーダイヤルTEL.0120-006-756
FAX.0120-016-756
http://006756.jp/
上級煎茶 二ッ森 1,050円/100g 中級煎茶 長寿 1,260円/200g かりがね茎茶6号 1,050円/200g
※パッケージは変更になる場合があります

職人が丹念に仕上げる
極上の手もみ茶

茶加工のほとんどが機械化している今、白川町では昔ながらの手もみ技法が伝承されている。

「機械は手もみの技法を真似てつくられたもの。自分の手でお茶に触れながらお茶づくりを学ぶことは、機械を使う上でも大いに役立つのです」

やさしい笑顔で話すのは、「白川茶手もみ保存会」会長の小池彼男(のぶお)さん(71)。16歳で家業の茶農家を継ぎ、茶業一筋55年。若いころは製茶機械の出始めで、手作業はもう古いと思っていた。ところが昭和55年、静岡から師匠を招いた手もみの講習会に参加して、考え方が一変。

「師匠の手の中でお茶がみるみる細くなるのを見て、これが本物の手もみか、やってみる価値があるなあと思ったのです」

手もみ技術の素晴らしさに感激した小池さんは、町内の仲間とともに保存会を発足。勉強を重ね、ついには独自の流派「美濃白川流」を立ち上げた。

手もみ茶には手摘みの茶葉を使う。まず強い蒸気でさっと蒸して、焙炉(ほいろ)と呼ばれる火にかけた台の上に広げる。そして、水分を飛ばしながら手でもみこんでいく。ポイントは3つ。人肌に保つ茶葉の温度、茶葉に当てる風の量、茶葉をもむときの力の加減。このバランスによって、仕上がりの良さが違ってくる。

「繊維は潰すんやけど傷はつけへんのです。苦みより旨み成分がゆっくり溶け出すんやね。これが本当のお茶の味です」

そう話しながら、自慢の茶葉をたっぷりと使ってお茶を淹れてくれる。まずは香りをかいでから、そっと口に含む。甘み、渋み、苦み、旨み…すべてが深く絡み合った何ともまろやかな味わい。

「本来お茶というのは、みんなで仲良く飲むもの。お茶を囲んで語り合う時間は、仲間づくりにも大切です」

手もみ茶の味には、小池さんら職人のお茶への愛情と人間の味わい深さがそのまま表れているようだ。

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白川茶手もみ保存会DATA

美濃白川茶 手もみ茶[限定品]1,050円/20g 

●商品
美濃白川茶 手もみ茶[限定品]1,050円/20g
●販売
道の駅「美濃白川」、日本昭和村 お茶工房内
※6月から販売開始。1年400袋限定・売切れ次第終了
●問い合わせ 白川茶手もみ保存会 事務局
加茂郡白川町河岐715 白川町役場 農林商工課内
TEL.0574-72-1311

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