書店店主 杉山三四郎さん

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書店店主 杉山三四郎さん

少年時代の体験を宝物にして
ギター片手に歌う絵本の本屋さん

「あ、おった、おった。サンシローサンがおった」。店に飛び込んできた小学生たちが目を輝かせる。競い合うように挨拶をすると、すぐに本選びに夢中になった。

伊奈波神社の参道の入口にある書店「おおきな木」。約1万冊の絵本や童話を揃える県内一番の児童書専門店だ。

店主の杉山三四郎さん(56)は、子どもたちの間でちょっとした有名人。ギターを弾きながら絵本を歌う「絵本ライブ」や、自然体験の「野外塾」で一緒に遊んでくれるカッコイイおじさん。遊び大好きな子どもたちの憧れの的なのだ。

児童書専門店を始めたのは15年前。大学を中退してまで打ち込んだ子どもの言語教育活動の中で、絵本の世界に取りつかれた。この素晴らしさを一人でも多くの子どもに伝えたかった。「しかし、ただ並べておくだけではなかなか売れなくて…」

絵本の楽しさをPRするために、ギターを弾きながら絵本を読んだり歌ったりする「絵本ライブ」を考案した。学生時代、フォークシンガーだったから、ステージさばきはプロ並み。たちまち幼稚園、小学校、図書館と出演の場が広がり、大ホールでコンサートを開くほどになった。

子どもの心と言葉の教育には自然との関わりが欠かせない、というのが杉山さんの持論。「野外塾」では季節の野山に子どもたちを連れて行き、思いっ切り遊ばせる。ヨモギやハコベを食べたり、チョウやトカゲを捕まえたり、魚やカニを追いかけたり。「子どもたちは放っておいても草木や昆虫たちと夢中になって遊びます。彼らにしか分からない言霊に出会っているんじゃないかな」

大学2年の時、キャンプリーダーのアルバイトで、詩人・谷川雁らが創設した言語教育団体ラボ教育センターのキャンプに参加。天真爛漫な子どもたちに魅せられ、その後、同センターに就職。子どもの言語教育や国際交流に携わり、絵本との出会いもあった。17年間の勤務を経て岐阜に戻り、平成6年「おおきな木」をオープン、今年5月で16年目を迎えた。

忠節橋の近くで育った少年時代は、チョウに夢中の昆虫少年。根尾や谷汲まで出掛けて友だちと虫を追った。家族で行ったキャンプの楽しさも忘れられない。「幸せな子ども時代でした。あの体験は今でもぼくの宝物」

あの頃の至福の時間を今の子どもたちにも体験してもらいたい。そう願って、ともに絵本を歌い、森を歩き、野を駆ける。

「一番楽しんでいるのは、ぼくかもしれませんね」。杉山さんの日焼けした顔が少年のように輝いた。

Photo

―人生を支える宝もの―

ギブソンのギター

絵本ライブで活躍するギブソンのギター。そこにはまだ、学生時代に描いたミュージシャンへの見果てぬ夢の残り火が宿っている。

Profile

杉山三四郎 すぎやまさんしろう
昭和28年岐阜市生まれ。名古屋大学中退後、ラボ教育センター入社。退社後、岐阜市伊奈波通に絵本と童話の店「おおきな木」設立。書店経営の他、絵本ライブ、ことば塾、野外塾などのイベントや講座を開催。絵本を音楽にしたCDも制作。

絵本と童話の店 おおきな木

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