ロースター(コーヒー焙煎業)山田英二さん

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ロースター(コーヒー焙煎業)山田英二さん

「何でおいしくできないんだ?」
未開の熱帯で出会った究極のコーヒー

「最高品質の豆を仕入れているはずなのに何でおいしいコーヒーが出せないのだろう」―岐阜市で自焙煎喫茶店をやっていた頃、いつも頭を抱えていた。もっと掘り下げれば、疑問は解けるかもしれない。そう考えて喫茶店を閉じ、コーヒー豆の小売・卸店を開店。同じ疑問を抱えている全国の同業仲間との勉強会にも加わった。

02年仲間と一緒にアメリカで開催されたコーヒー取引の国際会議に参加。欧米には日本では味わえないスペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質コーヒーがあるのを知って長年の謎が解ける。

「時代背景やコーヒー文化の違いで、日本は高品質コーヒーの流通には遅れをとっていたのです」

しかし、スペシャルティコーヒーの市場への新規参入は困難、新しいルートを直接開拓するより他なかった。ブラジル、コロンビア、ボリビアなど、中南米の産地国を軒並み回り、流通に組み込まれていない高品質コーヒーの栽培農園を探し歩いた。

「未開の地へ分け入って、ダイヤモンドの原石を探すような旅です。1年の3分の1を旅に暮らしたこともあります」

原石は各地で見つかり、同時にコーヒー栽培に生きる現地の農民の輝く目にも出会った。

スペシャルティコーヒーの発見には、コーヒーを味覚評価するカッピングの技術が何よりも重要。アメリカなど世界のカッパー(コーヒーの味覚評価をする人)の教えを受け、腕を磨いた。コーヒーをめぐる世界的イベントの国際審査員に選ばれるほどになった。

学校を卒業後、コック修業のために東京へ出たものの、何度も道に迷った。職を変え、アメリカを放浪した。しかし、変わらなかったのは、少年の頃からの強いコーヒーへの思い入れ。喫茶店の経営を考え、東京で修業後、故郷に帰って店を開いた。

山田珈琲は間口3間ほどの小さな店。スペシャルティコーヒーの味を知ったコーヒー愛好家が引きも切らず訪れる。

豆の栽培からカップに注ぐ最後の一滴まで、すべてが完璧であることが究極のコーヒーの条件。中でも生豆の生産を重視。熱帯の大地を切り開き、高品質コーヒーを栽培する農園なしには、山田珈琲はない。そんな中南米のコーヒー農家を支えようと、仲間たちと一緒に支援活動にも取り組む。

「農園とお客様の間に立って、その橋渡しをするのが私の仕事。その土地の風土が育てた味をそのまま伝えたいですね」

店先で生豆の麻袋を開く山田さんの脳裏には、農民たちの人懐こい笑顔がいつも浮かんでいる。

Photo

―人生を支える宝もの―

カッピング専用スプーン

挽いた豆に湯を注いで味を評価するカッピングに欠かせない専用スプーン。「武士の刀のようなもの」というほど大切。世界各地を旅するときにもいつも一緒だ。

Profile

山田英二 やまだえいじ
昭和42年岐阜市生まれ。県立岐阜商業高校卒業。平成8年岐阜市で自家焙煎珈琲「七福」を開店した後、14年コーヒー豆販売店を開業、20年店名を「山田珈琲」に改める。コーヒー職人の世界大会「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ」や、世界のコーヒーの品質を審査する「カップ・オブ・エクセレンス」の国際審査員を経験。趣味はオペラ鑑賞。

山田珈琲

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