子どもたちの未来に希望を
バングラデシュに孤児院を建設して15年
インド半島の東の付け根に位置するバングラデシュ。1億5000万人の人口を抱えながら国民一人当たりのGDPは、日本の50分の1という発展途上国だ。
岐阜市のボランティア団体「ボンドゥ孤児院プロジェクト」が、バングラデシュの子どもたちに援助の手を差し伸べ始めてから今年で15年。支援の輪は全国に広がり、活動は着実に前進している。
代表者は岐阜市に住む英語塾経営の毛利千恵子さん。83年から7年間、岐阜大学で日本語講師をしていた頃、バングラデシュの留学生(現在の現地代表Dr.ラーマンさん)から「貧しいけれど美しい私の国を見てほしい」と語りかけられた。
92年、首都ダッカを訪問した毛利さんが目にしたのは、街にあふれるストリートチルドレンたち。大洪水の被害もあって、この国では10人に1人が孤児であることを知り、衝撃を受ける。帰国後、バングラデシュの子どもたちを助けたいという思いが募り、翌93年、友人の高校教師、豊田由紀子さんらとともに孤児院建設活動をスタートさせた。
3年間の準備期間を経て95年、ダッカ市内のビルを借りて念願の孤児院を開設した。理解者が増え、県内の中学や高校が募金活動に協力。宮崎県や大阪府、京都の同志社大学には支部もできて、活動の輪が大きくなった。
01年、ダッカから車で数時間のクミラ市の村に独立家屋の孤児院を建設。さらに04年には敷地内に診療所を建設し、無医村の解消にも努めた。最近では、同志社大学の発案で、村の女性たちの自立のために手芸品づくりの訓練も進めている。岐阜市の富田高校や奈良県の郡山中学も支援活動に参加中。
里親やメンバー、学生らが自費で子どもたちに会いに行くこともある。日々成長していく子どもたちから、将来に夢が持てるようになったことを喜ぶ便りが届くと、メンバー全員がうれしくなる。
ボンドゥとはベンガル語で「友達」の意味。「あなたの力で子どもたちの未来に希望を与えてくださいませんか」が、15年間の活動を支えてきたグループのスローガン。大学生らを中心にした次の世代がこのスローガンを受け継いでくれていることが、活動を続けてきたプロジェクトメンバーの何よりの喜びだ。
Photo
- ボランティア団体 ボンドゥ孤児院プロジェクト
─グループを支える宝もの─
ボンドゥ孤児院は、1995年に14人の子どもたちを預かってダッカでスタートした。当時の写真は、今もメンバーを初心に返らせるグループの宝物となっている。
Profile
ボンドゥ孤児院プロジェクト
- 代表者/毛利千恵子
- 本部事務局/岐阜市玉井町21
- TEL.058-263-0037
- 支部/宮崎県、同志社大学
- 孤児院所在地/バングラデシュ クミラ市
- http://www10.ocn.ne.jp/~bandhu/