ピアノパフォーマー 宇野正志さん

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ピアノパフォーマー 宇野正志さん

ベートーヴェンを弾きながら
ピアニストが街を行く

ベルトで結んだ玩具のピアノを首から下げて街を歩いている人を見かけたら、それは間違いなく宇野正志さん(31)である。重さ8㎏、鍵盤が25鍵しかないアメリカ製トイピアノ。小さいながらも一人前の音を出す。

行き先は演奏会場が多いが、時には当てのない散歩にもピアノを連れていく。気が乗ると、歩きながら逆弾きで鍵盤をたたく。ショパンやベートーヴェンが街に流れて、道行く人の足を止める。

宇野さんは、東京音楽大学で学んだれっきとしたクラシックのピアニスト。大学院修了後、東京と岐阜を行き来して、現代音楽を中心とした演奏活動をしてきた。そのうち故郷との絆が強まり、2年前に帰郷して活動拠点を岐阜に置いた。

JR岐阜駅の高架下にある小ホールに、誰でも使えるピアノが置いてあるのを見つけ、定期的に無料のピアノライブを開く。通りがかりに立ち寄った聴衆と会話を交わしながら進めるユニークな演奏会が受けて、帰郷したピアニストに地元ファンが増えていった。

名刺の肩書に「ピアノパフォーマー」とある。ピアノ教室のかたわら開いているコンサートは、相変わらずユニークだ。鍵盤ハーモニカ、ダンスなどとのコラボレーションが聴衆の意表を突く。演奏の合間のおしゃべりも宇野節全開。自作の「ありがと」は知る人ぞ知るヒット曲。自ら芸名を付けて「ウーーノ」と名乗って、パフォーマーの肩書に偽りはない。

「音を鳴らすと人が集まり、皆がとっても楽しそうになる。音楽を通してそういう人たちともっと身近にふれあいたい」

そんな思いの中で出会ったのがトイピアノ。これならピアノがない場所でも演奏ができて、街中を演奏会場にできるとひらめいた。

市内の喫茶店などで「よりみちコンサート」を始めたのは去年の秋。玩具のピアノを叩いて、「エリーゼのために」や「トルコ行進曲」を披露する。独自のアレンジをした流行歌やアニメソングが流れ始めると小さな会場は最高潮。客は飲みかけのカップを置いてリズムを取り、和気あいあい。

子どもの頃から、音感はずば抜けていた。幼稚園から帰るとすぐに、その日聞き覚えた音楽を家にあった古いオルガンで弾いてみせ、両親を驚かせた。

「でも、不思議なのはぼくの音感ではなく、わが家になぜオルガンがあったのかということ。誰もその理由を知らなかったんです」

首をひねったウーーノのひげ面が、不意に何かの申し子のように見えた。

Photo

―人生を支える宝もの―

岐阜高校卒業時にもらった記念カップ。

1日5回は珈琲を飲む宇野さん。お気に入りの器は、岐阜高校卒業時にもらった記念カップ。黒地に金で書かれた「百折不撓(ひゃくせつふとう)」の文字に励まされ元気が湧いてくる。

Profile

宇野正志 うのまさし
ピアニスト、ピアノパフォーマー。1978年岐阜市生まれ。県立岐阜高校卒業後、東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業、同大学大学院修了。東京を中心に演奏家活動を行った後、2008年帰郷して、岐阜市を拠点にピアノパフォーマーとして活躍。音楽教室を開くかたわら、トイピアノを使って喫茶店などでコンサートを開くほか、ユニークな演奏活動を展開している。

[よりみちコンサート開催会場]

いしぐれ珈琲(岐阜市神室町2-15)、空穂屋(靭屋町38)、mb cafe(日ノ出町2-5)
紅茶専門店くらぜん(元町4-17)、珈琲茶館左岸(松屋町1)、たいやき福丸(美殿町49)

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