柳ケ瀬商店街にある「やながせ倉庫」。古いビルを改装して細い通路で繋いだ3つの建物に20以上のショップやカフェなどがひしめき合う。
この「やながせ倉庫」の顔として通りに面した101号室に店を構えるのが、個性的な作家作品を扱う『LINEFOLT SEE&HELLO!』だ。カラフルで遊び心のあるバッグ、細やかな手仕事が施されたアクセサリー、切り絵やイラスト、楽器まで。創作意欲に満ちた作り手たちの渾身の作品が所狭しと並ぶ。現在、取り扱う作家は29人。そのほとんどが持ち込みによる縁だという。
「未完成なものや、売れないものがあっても、それはそれで面白いと思うんです」と店主の今尾真也(まさや)さん。「そういう意味では、売り手や買い手より、作り手側に立った店といえるかもしれません。でも、それでいいんじゃないかな。いろんな人にとって、何かを発信する場所になれたら」。
大学3年生の時、高校時代の同級生2人と、このビルの2階にデザイン事務所を開いた今尾さん。卒業後、それぞれの道へと旅立ったはずの3人は、ひょんなことから再び集結。ここ数年で「アラスカ文具店」や「ラインホルトギャラリー」、「リトルクリエイティブセンター」を立ち上げ大奮闘。今春には「ラインホルトギャラリー」を進化させ、この店に生まれ変わらせた。
「『やながせ倉庫』という場所があったから、今の僕たちがある。だから、今度はここが誰かにとって、発信や発表をして、繋がりやチャンスを増やすような“はじまりの場所”になれたらいいなと思うんです」。
あえて当番制で作家に店番を依頼するのも、店づくりに積極的に関わってもらうことで、繋がりを広げてほしいからだ。店主も、作家も、客も、みんなが楽しいことを求めて集まる、はじまりの場所に―。
「いつか、ここをきっかけに、やながせ倉庫や柳ケ瀬でお店を開く人が現れたら、すごくうれしい」。そう話す今尾さんの屈託ない笑顔が輝いた。
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- 入り口には当番表が貼られている。作家によるワークショップが開かれることも
- 「やながせ倉庫」入居歴7年の今尾さんは大工仕事もお手のもの。自らの手でコツコツと改装して、床を張り、棚を作り、ペンキを塗って店を仕上げた
- 「作家さんと一緒に面白いことができたらいいな」と今尾さん
- 圧倒的な存在感が魅力。ユニコーンのぬいぐるみ(stitch)/¥3,900~
- 「和服に似合うアクセサリー」をコンセプトに制作されたもの。ピアス(映日果ラベル)/¥1,575~
- 7月中旬、郡上市のカフェ「ひるがのラシェーズ」内に新店をオープン
LINEFOLT SEE&HELLO! ラインホルト シーアンドハロー
- 岐阜市弥生町10 やながせ倉庫101号室
- 営業時間◇12:00~18:00
- 定休日◇水曜日
- http://linefolt.com/