一楽本店 [いちらくほんてん]

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カウンター12席はいつも満席。元祖みそかつの店 家族で守る“おじいちゃんのみそかつ”
一楽本店 [いちらくほんてん]

昭和32年創業の『一楽本店』。12席のみの細長い店内で、「みそかつライス」を頬張る60代の客が一言。「変わらんねぇ」。3代目の山口一徳さんの頬がふわりと緩む。最高の褒め言葉だ。カラリと揚がった柔らかいもも肉のカツに、甘くさらりとした味噌が染みる看板の品。「学生の頃に通ったんだ。君のおじいさんにお世話になったねぇ」。

祖父の博さんは戦後、夫婦でこの場所に居酒屋を開いた。ある日、カツがどて煮にぼとりと落ち、食すとなかなかの味。ならばと職人気質の博さんは試行錯誤の末、「みそかつ」なるものを創案。店はすぐに客で溢れた。揚げ場に立つ博さんは学生には大盛りを出し、行儀の悪い客には怒鳴った。店を回すため家族は総出。近所が遊び場だった一徳さんはぼんやりと思う。「いつか僕が店に入るのかな」。

中学時代に博さんが逝去し、床屋を営む父の輝雄さんが2代目に。21歳で3代目を継いだ一徳さんは直に気付く。客は素直。店の存続は自らの腕次第だと。常連が口々に話す博さんの「みそかつ」とは、どんなものか。肉屋に博さん独自の肉の扱い方を聞き、元従業員や客に、衣の付き方から味噌の風味まで当時の記憶を尋ねた。「店の照明と、この鍋でしか上手く揚げられない。家だとできなくて」と笑う一徳さん。箸でカツに軽く触れ、油の音を聞き分けて、色を見ながら揚げ時を計る。味噌はザラメと水を加えて代々の鍋でひたすら煮込む。そして“懐かしいあの味”に、近づく。

今や店先の行列はお馴染みの風景。しかし「おじいちゃんの壁は高い」。直接聞けたらなぁ、と博さん譲りの職人顔を見せる。代替わりとは、客の舌が欲する“あの味”を継ぐこと。その道は平坦ではない。だが、祖父の生き様に触れ、時に祖父を強く想うことでもある。「小学生の娘が継ぐって言い出して」とはにかむ一徳さん。繋がる“おじいちゃんのみそかつ”。家族で守っていく。


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一楽本店いちらくほんてん

  • 岐阜市神室町2-2
  • TEL◇058-265-7346
  • 営業時間◇11:30~14:30、17:00~20:00
  • 定休日◇月曜日(祝日の場合は翌日)
岐阜市神室町2-2
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