美殿屋漬物店 [みとのやつけものてん]

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100年以上続く老舗の漬物店 昔から変わらない、製法と人情を残して
美殿屋漬物店  [みとのやつけものてん]

商店や飲食店が並ぶ美殿町商店街。その中に昭和の風情漂う『美殿屋漬物店』がある。「少なくとも創業100年は経っていますね」と穏やかに話す3代目の加藤実さん。祖父の代に小柳町に店を構え、戦後、この場所へ移転した。

実さんが店を継いだのは24歳のとき。父の鉦吉(しょうきち)さんからは一切作り方を教わらなかった。「『門前の小僧習わぬ経を読む』と言うでしょう。自然と覚えたよ」。創業から続く自家製の漬物は、野菜に塩をまぶして、重しをする。それだけだ。漬物を作るには、野菜に住む乳酸菌の活躍が大きい。まず、乳酸菌の酸の力や塩の殺菌力で余分な菌が死んでいく。野菜から出た水分で表面が覆われ、酸素の行き来がなくなると、さらに菌が減る。最後に乳酸菌だけが残り、発酵が進む。「私が関わる部分はすごく少ないんです」。そうして数カ月ほど発酵させた「深漬け」は、クセが強いかと思いきや、シャキシャキとした食感に適度な酸味と塩分、その奥に滋味を感じる仕上がりだ。一方、1週間ほど漬ける「浅漬け」は、噛むたびに野菜の甘みと旨みがじゅわっとあふれてくる。「日ごとに菌の動きが変わるんです。それを見極めるのが私の仕事」。温度や湿度、野菜の出来などで異なる発酵の進み具合を見定め、えぐみが出ない段階で取り出して商品に。この製法は、現在多用される“野菜に味を付け加える”方法とは違い、自然本来の力で漬物の旨みを深めていくもの。「こういう作り方はだんだんなくなっていくけど、忘れてほしくないなあ」。

閉店は22時。商店街に隆盛期ほどの人通りはないが「来てくれた時にたまたま閉まってたら申し訳ない」と毎晩遅くまで明かりを灯す。ここ数年、美殿町では新鋭たちが店を構え、催しも増えた。「若い人も来てくれるようになったね」と嬉しそうに微笑む実さん。昔ながらの味と人情が、ずっと変わらずこの場所に息づいている。


Photo


美殿屋漬物店 みとのやつけものてん

  • 岐阜市美殿町45
  • TEL◇058-262-0373
  • 営業時間◇10:00~22:00
  • 定休日◇木曜日
  • コメント:(0)件 | トラックバック:(0)

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