10月上旬より一時休業いたします。再開は来春予定
ナポリタンやオムライス、カニクリームコロッケ。戦後、庶民の間で瞬く間に浸透した洋食。人々の心を捉えた外国風の斬新な料理は、“昭和の味”として今も根強く愛される。『コーヒーかまた』でも馴染みのメニューだ。
戦後間もない昭和23年に、初代・安井春一さんが食堂として創業。その後、柳ケ瀬にビルを竣工し、1階と2階で100席もあるレストランとして華々しくリニューアルした。「新しいものがどんどん入る面白い時代だったでしょ。自動ドアやテレビ、エアコンもいち早く取り入れたハイカラな店だったのよ」と夫婦で2代目を継いだ晴子さん。毎日たくさんの客が店の雰囲気を好んで訪れ、オムライスやパフェを頼み、プロレスや野球観戦に熱中した。また、豊富な洋食が楽しめるスタイルは当時としては珍しく、特別な日を祝う場として、多くの家族連れも利用したという。22年前、夫の芳弘さんが亡くなった。3代目を継ごうにも息子の昌弘さんはまだ学生。晴子さんは店を守ることを決意。メニューを大幅に減らし、喫茶店へと移行した。
しかし、ついに3年前、居酒屋や喫茶店などで腕を磨いた昌弘さんが3代目を継ぐ。甘めの特製ケチャップソースが後を引く美味しさの、赤ウインナーなどが入った太麺のナポリタン。ケチャップライスを卵でしっかりと包んだオムライス。昔ながらの味を追求したメニューが復活。さらに、新たな看板商品も登場した。ふわふわの玉子焼きをはさんだ厚焼き玉子サンドは、売り切れる日もあるほどだ。
店には「昔のままやね」と嬉しそうに料理を頬張る客や、3世代で通う常連客の笑顔が戻った。「僕自身、昭和の雰囲気が好きなんです。家族で食べた懐かしい味や、美味しかったなっていう記憶があって。思い出すと温かい気持ちになります」と昌弘さん。“昭和の味”で蘇るかけがえのない思い出。変えないことで、守っていく。
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- 分厚い玉子焼きをはさんだサンドは、ナポリタンやオムライスに並ぶ人気。オーダー毎に焼き上げる玉子焼きはどこか懐かしい甘さとふわふわ食感で、絶品。厚焼き玉子サンド/¥600、ナポリタン(サラダ付)/¥780(すべて税込)
- 家族で店を切り盛り。厨房は昌弘さん、接客は母の晴子さんが担当する
- 窓から光が差し込む居心地の良い店内。愛犬を連れて訪れる人も。
- 店に入ると看板犬のモカくん、ランちゃん、テリーくん親子がお出迎え。そっと客席に座ってくれることも。出勤時間は17時まで
- ライスはチキンかハムから選べる。オムライスランチ(サラダ・ドリンク付)/¥800(税込)。皿はかまたのマーク入り
- 店はビルの2階に。入口にあるモカくん、テリーくんの写真が目印
コーヒーかまた
- 岐阜市神田町4-16 2F
- TEL◇058-262-4067
- 営業時間◇11:00~20:00(OS19:00)
※木曜日は17:00まで - 定休日◇月曜日