金神社からすぐ北、金華橋通り沿いに薪窯で焼くナポリ風ピッツァが食べられる店がある。赤・白・緑のイタリアンカラーの看板が目印の「ダ・バッボ」だ。
木の温かみと素朴さを感じる店内。優しい笑顔で出迎えてくれるのは、カウンター奥でピッツァを焼く店主の早川典臣さんとホールを守る妻の佳恵さん。典臣さんは30歳で未経験の飲食業界へ飛び込んだ。薪窯焼きのピッツァと出会い「原始的でおもしろい」と興味を持つ。ガスや電気で焼くよりも美味しいものができるはずと独学で試行錯誤を繰り返し、9年前にこの店をオープンさせた。
注文が入ると、前日から熟成させた生地を一つずつ手で延ばす。全体に薄く、ふちをやや厚めに残すのがナポリ風の特徴。具をのせ、オリーブオイルをふりかけたらナラの木に燻されたドーム型の窯へ。400度の高温がみるみるうちに生地を焼き上げていく。片時も目を離すことなく位置や向きを変え、わずか2、3分後。香ばしい香りを漂わせながら、こんがりと焼き色の付いた熱々のピッツァが客のもとへと運ばれる。
「生地の美味しさを味わってほしい」という思いが込もったピッツァ。程よい塩気とふわりと広がる小麦の風味。香ばしさともっちりとした食感。そんな生地のうまさをシンプルなトッピングと、塩とハーブをベースにした味付けがより一層引き立てる。
「イタリアでは、ピッツァは庶民的な食べもの。みんなでわいわいと楽しく食べてもらえたら」。そう願う夫妻が創り出す居心地の良さもこの店の魅力だ。
気の置けない仲間とテーブルを囲む、何気ない日常の心安らぐひととき。焼きたてのピッツァにビールやワインを傾けながら、他愛もない話に花を咲かせたい。
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- 店内の片隅に積み上げられた薪は、背丈ほどの高さで約1カ月分
- 夜は肉や魚を使った窯焼き料理を。カウンターからは作業の一部始終が見られる
- トッピングによって火元からの距離を調節
- 素材や工程にいくつもの決まりがあるナポリピザ。手だけで延ばすのもその一つ
- しゃきしゃきとした食感が楽しめるきのこのピザ/¥1,100、薄切りナスがジューシーなメランツァーネ/¥1,000、ほんのりカレー風味のじゃがいもと角切りハムを包んだカルツォーニ/¥1,200
- 「毎日違う表情を見せるピザを焼くのがとても楽しいんです。そんな気持ちがお客さんに伝われば」と話す典臣さんと「気取らずに過ごせるアットホームな店にしたいですね」と笑う佳恵さん
- 車の行き交う大通りに面しながら、店内ではゆったりとした時間の流れを感じられる
- 窯焼きバナナとアイスクリーム/¥630
PIZZERIA Da Babbo[ピッツェリア ダ・バッボ]
- 〒500-8842 岐阜市金町5-1
- TEL.058-262-6115
- 営業時間◇11:30~OS 14:00、18:00~OS 21:00
- 定休日◇月曜日・第1火曜日