長良川左岸の元浜町。穏やかな町並みを散策する女性たちが、引き寄せられるようにふらりと立ち入っていく。「空海」は『和とアジアの融合』をコンセプトにした衣料と雑貨を扱う店。
カランコロンと下駄を鳴らして店の奥から顔を覗かせるのは、店主の阿知波桂子さん。草木染のストールに古布のベスト、着物地を使った帽子を、個性豊かに着こなしている。
「染物に初めて触れたのは18歳のとき。祖母が持っていた小さな藍染の巾着でした。今までに見たことがないほどきれいな色だったんです」。以来、人工では真似のできない、自然の植物から生まれる特有の色に惹かれるようになった。
旅好きな夫の弘さんと出会い、初めての海外旅行でバリを訪れた桂子さん。バティックやイカットといった異国の染物や織物を手に取り、一層心が引き付けられた。
二人は互いの趣味を生かし、アジアで仕入れた衣類や雑貨の販売を開始。桂子さんがデザインして現地で染め上げるワンピース、タイコットンのシャツ、ユニークな形のパンツ、細かな刺繍が施されたポーチに、天然石のアクセサリーたち。もともと好きだった日本の古布や着物地のアイテムも置き、古民家のような店内に和とアジアがマッチした独特の空間が創り出された。
「手作りのもの、自然のものに囲まれていると心が落ち着くんです」と桂子さん。
着物地のワンピースを着てみよう。上には草木染のカーディガンをさらりとはおって。木製ビーズが揺れるネックレスをすれば、ほら、大人のアジアンスタイルの出来上がり。自然素材のアイテムがひしめく店内で、あなたもすっかりこの魅力にはまることだろう。
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- 「古民家のような建物にしたかった」という、木製の黒壁が落ち着いた雰囲気の佇まい。開放的な店先には麻やコットンの夏らしい涼し気な服が並んでいる
- 「服を選ぶときは2色使いで。それだけで十分にオシャレができますよ」とコーディネートのアドバイスをする桂子さん。古いものや味のあるものが大好き
- ろうけつ染のテーブルランナー/1メートル¥1,200
- インテリア小物も人気。麻と竹の組み合わせがアジアらしいライト/¥7,500
- カエルのペン入れ/¥1,500
- タイで染めるオリジナルデザインの服や、着物を使ったワンピースなど、和とアジアを融合させたスタイルがおすすめ
- キーケースやブレスレットなどの革製品、存在感のある木製のネックレス、シルバーリングなど、ファッション雑貨も充実
ASIAN JAPANESE 空海[アジアン ジャパニーズクウカイ]
- 〒500-8034 岐阜市元浜町35-11
- TEL.058-264-9888
- 営業時間◇11:00~ 16:00
- 定休日◇日・祝日 駐車場◇ 3台