本町3丁目のバス停前。チカチカと点る星型のサイン。赤い光を放つ電光看板を掲げた古い蔵へと、誘われるように歩みを進めてみる。
オープンから1年を迎えた「travessia」は、岐阜では珍しいキャッシュオン式のレストラン&カフェバー。「1日2組くらいは恐る恐るのぞいていくよ」と店長のノンちゃんこと上広望さんが笑うように、一見、入りづらいと感じる人も少なくないだろう。蔵の中にミラーボール、青壁に真っ赤なランプ、鮮やかな花に枯れ木や葉。対照的な組み合わせが好きだというノンちゃん独特のセンスで飾られた店内は、圧倒的なインパクトで私たちを迎えてくれる。
「ご飯があってお酒も飲めて、ゆっくりとコーヒーも味わえる。どんな人でも好き好きに楽しんでもらいたい」。
自家製ハーブや外国産のスパイスを巧みに使った風味豊かな料理。世界各地のビールやフェアトレードのコーヒーをはじめとした多種多様なドリンク。カウンターでオーダーしたら、店内の好きな場所を見つけて思い思いの時間を過ごしてみよう。
ふとカウンターを見ると、ノンちゃんと楽しそうに話をする客。居合わせた別の客がまた会話に加わる。
「”トラベシア“はポルトガル語で橋の意。ここを訪れた人の輪がどんどん広がっていけばきっと面白い」。
何ともいえない不思議さただよう空間。ここにはずっと居たくなるような心地良さがある。もう一度味わいたくなる料理。もう一度過ごしたくなる時間。そして、もう一度会いたくなるノンちゃん。この店の魅力は名状しがたいが、ただ一つ、みんなを惹きつけているのは『ここにしかない』ことだろう。
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- やわらかくてジューシーなローストポークや香ばしいナシゴレンなど、ノンちゃんが考案したフードメニューはどれも一度食べたら病みつきに。日替わりプレート/¥1,000~
- フローリストの顔も持つノンちゃんの作品が至るところに飾られている
- まるで異国を訪れたかのような錯覚を起こす鮮麗な店内。画家や作家などアーティストの常連も多い。カウンターでドリンクを受け取ったら好きな席を探して
- 店内にはユニークな装飾がいっぱい。2階は大人数でもゆったりと過ごせる
- 大通りから奥まった場所に佇む。駐車場ではイベントを行うことも
- 2階にはライブスペースもある。月に一度のオープンマイクでは1組20分程度の持ち時間で誰でも歌える
- 個性あふれる“トラベシアファミリー”。左から、ダイシさん/店長のノンちゃん/マチコさん/オーナーのJackさん/シュンさん
travessia[トラベシア]
- 〒500-8034 岐阜市本町3-6-1
- TEL.058-263-5557
- 営業時間◇18:00~深夜
- 定休日◇木曜日
- 駐車場◇あり
- http://www.travessia-xo.com