ジャスミンやワイヤープランツが並ぶ軒先で、道ゆく人がふと足を止める。長良橋通りにある「aprés」は、二人の女性店主が昨年7月に始めた花屋。鍵型のノブを握って扉を開けると、そこにはゆったりとした穏やかな時間が流れている。パステルカラーの切り花や観葉植物、ガラスの花器がまるでギャラリーのように置かれた、心地のよい空間だ。
かつて同じ花屋で働いていた中島伸子さんと田中貴子さんは、性格も年齢も経歴もばらばら。しかし、「花が持つエネルギーに励まされたり、癒されたり。花のある生活をたくさんの人にすすめたい」という思いは一緒。勤務先の閉店を機に、二人で新たな一歩を踏み出した。
ピンクのラナンキュラスや純白のバラなど、淡い色の花がディスプレイされたカウンター前。アンティーク調の大きなミラーの前には、真っ赤なバラや濃紫のダリアが艶やかに咲き誇る。曲線を生かした柔らかな作品が得意な中島さんと、シックなデザインが好きな田中さん。お互いの個性を融合した「二人にしかできない花屋」を目指す。
花束やアレンジは予算やイメージに合わせてオーダーメイド。「うれしいときに贈る花もあれば、悲しいときに贈る花もある。贈り手の優しい思いが届くように、心を込めて丁寧に作ります」と話す中島さん。
女性の心をくすぐる小粋なフラワーベースも人気。「小さなガラス瓶に一輪の花。たったそれだけでも前向きな気持ちになれますね」と田中さんもほほ笑む。
小さなつぼみがふっくらとほころび、さまざまな花が見ごろを迎える春。毎日の生活を彩る明るい花を、大切な人の心がじんわりするような優しい花を、二人の店に見つけに行きませんか。
Photo
- 「学生の頃から花屋を一生の仕事にしようと決めていました」という田中さん(左)。「季節感を感じられるこの仕事が大好きです」と話す中島さん(右)。店内に飾られている絵画は中島さんの父親の作品。「いつも見守っていてくれる気がして」
- 八重咲きのユリや花の中心が緑色になるラナンキュラスなどの珍しい花も。花を傷めないよう店内の温度に細心の注意を払う。仕入れは週1~2回、朝4時から名古屋の市場へ出かける
- フラワーベースは小さいもので約500円とリーズナブル
- カウンターそばのディスプレイ。花束やアレンジは予算やイメージに合わせてオーダーメイド。
- 店名にも入っている「CLEF=鍵」の取っ手
- ミラーやシェルフなど、インテリアにも女性らしいセンスが光る
- 「少し冷たい感じにしたかった」という外観が、店内の花の美しさを引き立たせている
- 穏やかな空気に包まれた店内。 太陽の光が差し込む窓際のソファが二人のお気に入り
aprés~CLEF DE JUILLET~[アプレ クレ ドゥ ジュイエ]
- 〒500-8833 岐阜市神田町6-2 富田屋総本家ビル1F
- TEL.058-262-6086
- 営業時間◇10:00〜19:00(日曜のみ~13:00)
- 定休日◇木曜日・祝日(臨時休業あり)
- http://www.apres-cdj.jp/