木之本小学校の東、住宅街の一角に「三和」はある。昭和38年に大衆食堂として創業。今はみそかつ専門店として、老若男女を問わず親しまれている。厨房に立つのは、初代店主の長屋周吾さんと娘の敦子さん。敦子さんは父の味を受け継ぐべく、修業の真っ最中だ。
客を虜にするのは、大衆食堂時代から不動の人気を誇るみそかつ。毎朝仕入れる新鮮な生豚肉に衣をまとわせ、高温の油の中へ。湿気を含みやすい生パン粉の状態に合わせて揚げ時間や温度を見極める。キツネ色に揚がったかつにかけるのは、八丁味噌と白味噌をブレントしたコクのある甘辛味噌だれ。サクサクのかつに、さらりとした味噌がしみ込み、上にかけた山椒の香りがすっと鼻を抜ける。
ふっくらと焼き上げる豚肉100パーセントのハンバーグも外せない。驚くほど柔らかく、口に入れた瞬間にほわっと崩れる。270グラムとボリューム満点だが、女性でもぺろりと完食するほどだ。
カウンターの中でてきぱきと調理をしながらも、客席の様子を気にする敦子さん。箸を付ける手元や初めの一口を食べる瞬間にじっと目をこらす。「柔らかい、おいしい、という表情や口の動きを見るのが最高に幸せです」とにっこり。「ごちそうさん、ありがとうって笑顔で言われると、胸がいっぱいになります。この店を継いでよかったって」。
職人気質で仕事に一生懸命な父。「頑固なところが父に似ているかも」とおどけながら、父の背中を一心に追いかける娘。馴染み客の好みを知り尽くした親しみのある接客で二人を支える母。家族ならではのにぎやかでアットホームな雰囲気も魅力の一つ。「常連さんも家族みたいなもんだね」と話す優しい笑顔に、アツアツのみそかつに、心がほっと温まる。
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- 1.箸を入れた瞬間、肉汁があふれ出るハンバーグ。炒め玉ねぎの甘さを生かしたソースを絡めていただく。ハンバーグ定食/¥880
- 2.左から母の喜子さん、店を手伝う孫娘の亜希さん、父の周吾さん、娘の敦子さん。「家族だからこそ、思ったことを何でも話せます」。冗談を言い合って笑顔が絶えない仲良し家族
- 3.注文を受けてからパン粉をつけてじっくりと揚げる。油から上げるタイミングが肝心
- 4.ボリューム満点の味噌かつ定食。ガツンと食べ応えのあるロースは男性に、ヘルシーなヒレは女性に好評だ。たっぷりとかかったほんのり甘い味噌はご飯や千切りキャベツとの相性も抜群で、味噌の追加を頼む人も。味噌ロースかつ定食/¥950
- 5.いつもサラリーマンや常連客でにぎわう店内
- 6.暖簾や手書きのメニューなど、どこか懐かしい雰囲気のカウンター。11月中旬からカキフライ定食が冬季限定で登場
みそかつ 三和[ミソカツ サンワ]
- 〒500-8867 岐阜市木ノ本町1-3
- TEL.058-251-4035
- 営業時間◇11:30~14:00(OS13:30)
- 定休日◇水曜日
- 駐車場◇8台
久しく三和さんで食べていないので、記事を読んで食べたくなりました。
みそかつにするかハンバーグにするか、悩ましいです。
Posted at 2011.10.5 11:47 AM by 背
ぜひ行ってくださいー!!
私は今の気分でいえばひれかつですね♪あの味噌が食べたい!!!!
あと1か月もすればカキも登場しますよ☆
Posted at 2011.10.5 12:00 PM by aun
小学校の頃、親戚が近くにあり、遊びに行くと必ず三和のみそカツを出前で頂いてご馳走になった思い出があり、味も昔と変わらず懐かしく、度々訪れています。お昼のみの営業で、晩飯に伺うことが、残念です。いつまでも、元気に営業されることを願っております!
Posted at 2012.10.31 12:12 PM by 55歳のおじさんです