隠れ家的な服屋として常連客に親しまれ21年。長旗町から元町へ移転して3年目を迎える洋服のセレクトショップ「agosto」には、服選びにこだわりを持つ大人が集う。
奥まった入り口の扉を開くと、ほのかにアジアンな香りが漂いロックサウンドが静かに流れている。白壁に囲まれた店内には、国内外のブランドから厳選したメンズ・レディース服のほか、鞄や靴、ベルトなどの小物がゆったりと並べられている。どれも洋服の世界で30年働くオーナーの安福さんが、信頼できるスタッフとともに品定めしたものばかりだ。
セレクトの決め手は「本物」かどうか。それを見極めるために必ずデザイナーに直接会う。商品の軸にしている国内ブランド「ハリウッドランチマーケット」は、独特の加工やデザインに加え、糸や生地からプロデュースしているのが特長。「20余年も若者から支持されている。こんなブランドほかにはないですよ」。どこにも真似できないオリジナリティー。そして、服を一から作り出すという作り手の変わらないポリシーこそが、安福さんが認める「本物」を生み出しているのだ。
「良い服は着ていてうれしいですよね。ずっと大切にしたいですし。お客さんにとってここのアイテムがそういう存在であって欲しいと思います」。そう笑う
安福さんが10年間履き続けているという革靴は、ソールを3回張り替えてまだなお現役。見事なまでにツヤが増し、足の形に馴染んでいた。
いつまでも愛用したくなる。使うたびに手に入れたときの喜びが蘇る。「agosto」
で出会えるのはそんなこだわりを持った大人のための服。それは、作り手と売り手、使い手の心がつながった「本物」の一着。
Photo
- 1.安福さんお気に入りのスペース。ベルトや鞄、シャツなどがセンスよくディスプレイされている
- 2.オイルステンレザーを使用した革靴。「履けば履くほど味が出る」。ソールの張り替えも受付。オーロラシューズ/¥19,740
- 3.広々とした店内ではゆったりと服選びが楽しめる
- 4.ボトムの品ぞろえも豊富。特に注目したいのはデザイナーKATO`氏が手がけるデニムブランド「AAA」
- 5.古い倉庫で使用されていた味のある什器に「LEFT FIELD」や「STYLE CRAFT」、「soutiencal」などのシャツが彩り豊かに並ぶ
- 6.「一番はじめに覚える仕事なんです」と、デニムの裾を手際よく直すスタッフ
- 7.本物志向を貫く安福さん。商品はもちろん店の雰囲気も大切にしている。「自分にとってもお客さんにとっても居心地の良い空間にしていたい」と微笑む
agosto [アゴスト]
- 〒500-8185 岐阜市元町2-15
- TEL.058-266-0866
- 営業時間◇11:00~20:30
- 定休日◇不定休
- 駐車場◇2台