昨夜の記憶がまったくない!!
愛すべき酔っ払いたちは失った記憶を取り戻せるのか!?
ようこそ、あうん劇場へ!
「いやぁ~、昨日飲み過ぎちゃってさぁ。2軒目に行ったのまでは憶えてるんだけど、その後の記憶がなくて…。」
こんなどうしようもない会話がたまに聞こえてきます。ハメを外して飲み過ぎて、翌日に他人から聞かされる昨夜の醜態。お酒の席は楽しいものですが、アルコールはとっても恐ろしいものでもあります。それをおもしろおかしく教えてくれるのが、今回ご紹介する映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』です。
結婚式を2日後に控えたダグは、悪友のフィルとステュ、新婦の弟アランを連れて、独身最後の夜を満喫するためにラスベガスへと向かいます。高級ホテルで乾杯をする4人。翌朝、ひどい二日酔いで目覚めた彼らが目にしたものは、あまりに悲惨な光景でした。滅茶苦茶になったスイート・ルーム。部屋中に転がる酒の空き瓶。クローゼットには見知らぬ赤ん坊。バスルームには虎!そしてダグの姿が見当たらない。しかし彼らには昨夜の記憶がまったくありません。記憶のない空白の時間に一体何があったのか?3人はわずかなヒントを頼りに、消えたダグを探し始めるのですが…。
本作は“記憶喪失になった男たちの失われた記憶をたどる旅”という本格SFサスペンス映画のような物語を、“二日酔いの男たちが飲み過ぎて飛んでしまった記憶をたどる旅”というなんともバカバカしい設定に置き換えた爆笑コメディです。目を覚ましたフィルの手首には病院の腕章が巻かれていますが、病院でお世話になった記憶などない。さらに婚約者の父親から借りた車がパトカーに変わっている。もちろんこれも憶えていない。このような理解不能な状況に振り回される男たちのダメっぷりと、次々に明らかになっていく昨夜の失態の数々に、抱腹絶倒です!
とにかく笑いの絶えない楽しい作品なのですが、同時に湧いてくるのは「すべてを忘れさせてしまうアルコールはすごい。そして怖い。」という畏敬の念です。
皆さんもお酒の飲み過ぎで失敗したことはありませんか?この映画を観て、私もいろいろと思い出しました。浴びるように飲んで帰った翌朝、玄関で目を覚ましたこと。二日酔いでバイトをズル休みしたこと。翌日に友人から「スピルバーグ監督について延々と語っていた」と聞かされたこと。飲み過ぎには注意しなくては、と改めて思う次第です。
しかし本作の主人公たちはそんなことで懲りるような連中ではありません。なんとこの映画、7月1日から続編『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』が公開されています。主要キャストが再結集し、監督も続投。舞台をタイ・バンコクに移し、またしても前夜の記憶がないほどの二日酔いに。キャッチコピーは、「飛べ、異国の地へ! 飛ぶな、昨夜の記憶!」です(笑)。第1作でしっかりと予習をして、“史上最悪の二日酔い”に備えましょう!
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
- The Hangover
- 2009年/アメリカ/100分
- 監督 トッド・フィリップス
- 出演 ブラッドリー・クーパー/エド・ヘルムズ/ザック・ガリフィアナキス/ヘザー・グラハム ほか